お葬式というものを経験したことがないから初めて知ったけど、割と明るい雰囲気のなかでその準備は進んでいった。

そんなもんかなあ?と思ってみていると、しっかり本番になると悲しい雰囲気が漂った。

お通夜が始まると、みんなシクシク泣き出したから変な感じだった。

僕を見る人全員が、情けない顔をしていた。

11歳で両親を亡くしてしまった僕としては、途方に暮れたり、戸惑ったりで忙しくしたいところなんだけど、あんなにあからさまに同情の目を向けられるとそんなそぶりも見せたくない。

強くなりたい。悲しいとかよりも先にそう思った。

でも、そうやって背筋を伸ばしていると、今度はそれが健気だとか何とか言って来るから結局しんどい。

お通夜が終わると、にわかに騒がしくなった。