体が動かない。

僕だけ時間が止まったみたいに動かなくなった。

まわりの風景だけが目まぐるしく変わっていく。

博士に呼ばれていろんな人が集まった。

リョウちゃんがベットに乗せられた。

ベットに乗せられたリョウちゃんは病室へと運ばれていく。

ざわざわと人が集まって来て、辺りを囲む。

看護士さん達がその列を下げる。

何か大きな声で叫んでいるが、耳の奥で反響して何を言っているか判らない。

博士もなんだか叫んでいる。

みんな歯を食いしばりながらリョウちゃんのそばで動き回っている。

体が動かない。

近付く事も逃げる事も出来ない。

バンッと背中を叩かれた。

カズ君がいつの間にか隣に立っている。

「行くよ」

引きずられるように僕も病室にむかう。