「僕は」

言葉は時々、口にだそうとすると喉につかえる。

絞り出すように僕はしゃべった。

「僕は…。医者になろうと思うんだ。」

ここ数日、ずっと考えていた事だ。いや、もっとずっと前から。

何も出来ない自分を変えたかったし。誰かの為に頑張る仕事がしたいと思った。

リョウちゃんは顔をくしゃくしゃにして笑った。

「いいね!すごくいい!」

リョウちゃんにそう言われて、夢が現実に一歩近づいた。

「応援する!ずっと応援する!」

リョウちゃんの応援は僕をグッと前に進めた。

「ありがとう。リョウちゃん」

「……」

「リョウちゃん?」

「……」

覗き込むとリョウちゃんは微笑みながら寝ている。

寝た?急に?

辺りを見たら博士が柱の影から現れた。

見てたのか?

博士が物凄く怖い顔で駆け寄ってくる。