「手術は成功した。けれどその後の経過がよくなかった」博士は淡々と話してくれた。

どうやらお父さんはそもそも体が強いほうでは無くて、風邪とかにかかりやすい体質だったそうだ。

「運悪く肺炎にかかってしまって」

どうやら、手術の後だったせいでそのままダメになってしまったそうだ。

「つまりね。」僕を申し訳なさそうに見ながら博士は続ける。

「つまり、僕はタク君の大事な両親を二人とも助けることが出来なかった。」博士は頭をもたげながら、ホントに申し訳ない。とつぶやいた。

博士のこういうところって医者向きじゃないんじゃないか?こっちが申し訳ない気分になる。

「リョウコさんは…」これからどうするんですか?カズ君がぶっきらぼうに聞く。