「なんでだろうね」

カズ君に夢の話しをしたらそう答えた。目を合わせないでどこかそっけない。

「でも大丈夫だよ。いないから不安なだけだよ」言った後で何か思い着いたみたいに「きっとその何かって言うのは不安の象徴かなにかでさあ、夢の中で追いかけてくるみたいなさあ」そうだよきっと。カズ君が何故かおどおどしたふうに答えてきた。

そんなもんかなあ?あまりスッキリしなかったけど、僕の夢の意味なんて解っても気味がわるいので納得することにした。

「たっくんとリョウさんてさあ」唐突にカズ君が言い出す。

「普段あまり喧嘩しないでしょう?」確かにあまり喧嘩はしない。でもそう答えるのも恥ずかしい気がして「なんで?」と聞き返した。

カズ君は得意の苦笑いをしている。