「リョウさんは…」どうかな？
カズ君は口ごもった。

「だって…。僕より自分の都合を優先したんでしょ」僕はリョウちゃんが何故出ていったかも知らない。

「それが自然なことなんでしょ？」カズ君が言いたかったのはこういうことじゃないんだって解っているつもりでも、聞いてしまう。カズ君がなにも言わないのが悪い。

「たっくんはそう思うの？」そう思うって？突然に質問されて思わず聞き返してしまった。

「リョウさんにしてもタックンにしても薄情だ。って？」

「それは…そうでしょ？」

「そうかなあ。俺はそうみえないけどなあ」何を根拠にそう言っているのか意味が解らない。けど自分の答えに自信がなくなる。

カズ君がなにか大切な事を言おうとしている。