全部私が悪い。

タクの事もカズヤの事も。

私が彼等を振り回す権利などあるはずがない。私には責任がある。

特にタク。あの子には辛い目ばかり合わせてきた。親として最低限の事はしてあげなければいけない。

私は何ひとつしてない。これからしてあげなくちゃ。

どれもこれも私が好き勝手撒き散らした種だ。自分で刈り取る必要がある。

だからこそ最後のわがままだ。やるべき事をやらなければいけない。

背中でガチャッとドアが開く音がした。渇いた靴音をならしながら博士が私の前に回りこんだ。

「始めましょうかリョウコさん」