リョウちゃんにリョウちゃんの都合があるなら、僕にだって僕の都合がある。

昨日は楽しい夏休みの前の日をドキドキしながら過ごしたんだ。

頑張ったって僕だってまだ子供だ。いきなり楽しい毎日を取り上げられてなにを理解すればいいんだ。

だいたい親なら自分の都合より子供の事を考えるべきじゃないのか?

「わかるよ」

カズ君が優しい顔でこっちをみてる。僕今しゃべったっけ?と不思議な眼でみると。

「でも信じた方がいいよ。リョウさんはたっくんを絶対裏切らない」

根拠のないカズ君の言葉でも言うとおりにすれば少し大人になれる気がした。