かつては、千夏姉の彼氏。


イヤ、婚約者。



それでも私は、知らずに想いを持った。


絶対に、伝えることが出来ない想いを。



彼が誰を見ていようとも、私は傍にいたかった。


傍にいるだけで、心の中で何度も叫ぶんだ。


“好きだよ”




理由を知ってしまった今、止めることは出来ない。


私に、止める権利などないから。



彼の時間は、千夏姉が死んだ時に止まった。


それでも、復讐したことで時間が動き出したなら、私はそれを見ていよう。