だけど、何も変わらない空気にほっとする。


こんな日が、いつまでも続けばと願ってしまう。


それでもそれは、そんなに長く続かないことは分かっていた。

いつかは壊れてしまうと分かっている。


ただ、彼と逢えない少しの時間だけは、このままでいたいと願う。


今の私の、ほんの少しの願いだ。




その日は、1日何もなく終わった。


仕事が忙しくて、久しぶりに事件のことを何一つ考えずに過ごした。


だけど、私は気付いていた。

この会社の近くを警察がうろついていることを。