そんなレースを繰り返しながらも、寄り道をせず真っ直ぐ家へ帰った。 それは、久しぶりの家だった。 私の運命が変わった時から、ずっと彼といたのだから久しぶりだった。 家に入る時、念のため周りを見渡したけど、刑事の気配はなかった。 「ただいま。 お父さん、お母さん、お姉ちゃん」 ほとんど何もない殺風景な部屋に、ぽつんと置いてある遺影。 その遺影に向かって、挨拶をする。 ここへ帰って来ると、怒りがこみ上げてくる。