「悪阻…大丈夫か?」
ベッドに横になり志織の腹を撫でる。
「う~ん、やっぱり涼の時と同じでご飯の炊きたての匂いが駄目みたいです」
「涼が心配してた」
「涼が?あ、あぁ、涼に晩御飯食べさそうとして炊飯器開けたらちょっと」
「ん。涼が俺に『ママは病気だから慎吾おじちゃんに診てもらったら』って言いに来た」
「まぁ、涼ったら。フフフ…」
「嬉しそうだな」
顔を上げて
「そりゃ嬉しいですよ。それだけ涼が成長してるんですから」
「そうだな。だけど無理だけはするなよ」
前は家のことと仕事だったが、今度はそれに涼の世話があるからな。
「大丈夫ですから。悪阻も間もなく治まるだろうし」
「ん」
そっと抱き寄せ
「もう寝ろ」
「はい。おやすみなさい」