西城が静かに部屋から出て行ったのが分かった。

だけど、俺は美乃梨から目が放せない。
涙は止まらない。


「美乃梨、俺…」

「私も好き。大好きだよ?もう離れたくない」

「…俺、自分の親と美乃梨の親にやっぱり美乃梨が好きだって言いに来たんだ。美乃梨とずっと一緒にいたいって言いに来た」

「ほんとに…?」

「美乃梨、ずっと一緒にいて下さい」

「うん」


美乃梨が俺の胸に飛び込んで来た。

俺は迷わず美乃梨を抱き締める。
その時、小さな声で美乃梨が言った。


「駆け落ちでも良いよ?」


それはしない。
認めてもらって初めて幸せになれるはずだから。

美乃梨のその言葉に、俺は静かに首を振る。


「それはしない。安心して?俺は絶対に美乃梨から離れないから」

「うん」


ギュッと抱き付いてきた美乃梨をまた抱き締め返す。

美乃梨が心地良い。
美乃梨じゃないとダメだ。
俺は美乃梨と手を繋いで、西城の部屋から出る。

2人で西城と佳奈ちゃんを探す。


西城と佳奈ちゃんは庭で笑いながら話しをしていた。