「あ~…」

遠くに聞こえるベルの音で目を覚ました。
そう、それは入学式開始の合図。

とくに急ぎもせず、のんびりと支度。
真新しい制服に身を包むと、改めて父と母がいなくなったことを実感する。

あの悲劇から、約半年が経った。
心の傷は癒えない。

周りの人からは同情の声をかけて貰っているが

実のところ、
魔力に対しての好奇心
魔力に対しての恐怖

そんなことを考えているだろうということは
一目瞭然だった。

誰しも、自分の力じゃ得られないものに
興味を持つのは当たり前でしょ?