女の子はいつも通りはしゃいでいた。
だが二人は岩に座ってそれを眺めているだけだった。

「......溶けてる」
「......知ってる」

彼女は溶けていた。
川に入っているにも拘わらず、溶けていた。

「ああ、もう指が溶けちゃった」
「......綺麗だ」

え、何、と聞き返す彼女の顔は赤かった。
聞こえただろ、と返す彼の顔も赤かった。

「水面に君が広がってて綺麗だ」
「見えないや、目に瞼がかかって」