3 女の子はいつも通りはしゃいでいた。 だが二人は岩に座ってそれを眺めているだけだった。 「......溶けてる」 「......知ってる」 彼女は溶けていた。 川に入っているにも拘わらず、溶けていた。 「ああ、もう指が溶けちゃった」 「......綺麗だ」 え、何、と聞き返す彼女の顔は赤かった。 聞こえただろ、と返す彼の顔も赤かった。 「水面に君が広がってて綺麗だ」 「見えないや、目に瞼がかかって」