だが女の子が足を止めると、虹はすぐに消えてしまった。

「よし、あたしがやろう!」

彼女は女の子の向かいで水を蹴る。
すると先程より大きくてはっきりとした虹が女の子の目の前に出来た。

「すごーい!」

女の子はご満悦だ。
虹を掴もうとして跳ね回っている。

彼は彼女に「消すなよ」と合図を送った。
彼女は「きっつーい!」と爆笑しながら、ひたすら空に向かって水を蹴っていた。

彼は虹を作る彼女と跳ね回る女の子を眺めながら、時よ止まれと願った。