「う、うん。美衣、とりあえず、顔拭きなよ」



 真樹が、苦笑した。



 俺は、その場をそっと離れた。



「翔」



 名前を呼ばれて、振り向くと。




「あかねか」



 あかねは、男子校へ進学した。



「ンだよ。その顔は」



 あかねが、拗ねたような顔をした。



「美衣を泣かせたら、承知しねぇから」