「バッ…ンなのじゃないんだからっ!」



 美衣が、おれの頬を殴る。



「素直じゃねぇのは、相変わらずだな」




 俺は美衣の鼻をつついた。





「そっちだって!」




 



 卒業式の後。


 隣に立つ、美衣がボロボロと涙を落としている。



「真樹〰〰、花梨〰〰。連絡待ってるから」



 美衣が、高校が分かれた親友に声をかけてるんだけど。



 泣きながらで、その顔がおもしろ…否、かわいい。