「っや…。」

尚矢っ…
あたしは尚矢から逃げ続けて、もう
3ヶ月くらいかな…。

「どーしたー?」

「そのっ…彼氏からで…。」

「愛巡、ちょっと外来れる?」

「うん…。」

あたしは恭に見抜かれてたみたい。

「その痣さ、そいつにされたんでしょ?」

「…」

なにも言えず、ただ頷くことしか
出来なかった。

みんなでワイワイしてたら、
あんなに、笑顔になれるのに。

尚矢のことを思い出したら、
怖くて、怖くて。

尚矢は、あたしの行ってる中学の
アタマだった。

力で勝てるわけないの。

最初の2ヶ月位は、優しかったし、
夜遊びまわったり、暴走に連れていってくれたり。

尚矢は、匠馬(タクマ)っていうお兄ちゃんがいて、
尚矢のにーちゃんはあたしの地元のアタマだ。

匠馬くんは優しいけど、尚矢はだんだん
おかしくなっていった。

愛巡は美人過ぎんだよー。
そなんだから男に見られるんだ。

最初の頃は1週間に一回のベースで
あたしに文句をつけては暴力だった。

それがだんだんエスカレートして
どんどんあたしにとって理不尽な
理由になっていった。

あげくの果てには、理由もなく
暴力ふるって、服を乱暴に脱がせ、
あたしの身体の写真を撮った。

あたしはその写真で脅され、
言われるがまま全て言うとおりに
するしかなかった。

一通り全部説明すると、恭は、

「辛かったな。」

といって、あたしを抱き締めた。

「俺にまかしとけ。」