そんなとき、電話があった。

『可茄知らん?』

「知らない。どうしたの?」


可茄先輩は仕事に行ったきり
帰ってこないらしい。


探すのを手伝ったけど
あたしたちは見つけきれなくて


夜中の0:00頃から朝方5:00頃まで
ずっと電話していた。



出会った頃の話
付き合ってた時の話




ぜんぶ、過去の話。


思い出。






あたしの思いは溢れかえって
やっぱり好きって思いでいっぱいで。




彼女じゃないのに。
相手には彼女がいるのに。


思えば思うほど辛くて


もう恭を好きでいるのはやめたはずでしょう?




そう言い聞かせて。



事件は次の日起きたの。