次の日のテストで、あたしは
最初の15分だけ受けて、そのあとは
ずっと泣いていた。

涙枯れるんじゃないの?ってくらい、
泣き続けた。

ボロボロになるまで、目が腫れて
前がぼんやりするまで、
ずっとずっと泣き続けた。

身体中がジンジンして、
キツくて早退した。

その次の日は、恭の家に行った。


――――ドンドンドン

…。寝てる?

――――ピンポーン

ガチャガチャ


少しドアをあけて、
「愛巡。おはよ」

そういって、「外行こう」
って言った。


少し開いた玄関をちょっと開けて
覗いてみたら、

茶髪の女の人。


次の女?
それとも可茄ってやつ?

外に出て聞いたら、
可茄ってやつだった。

彼氏いるのに、来たんだって。
ただのタラシじゃんか。

可茄ってやつが浮気してた話、
でもその人を一番愛したって
あたしにそう言った。

可茄も愛巡も同じくらい大切。

あなたはあたしにそう言ったの。


その言葉があたしの心に刺さってさ。

どうしても恭の前で涙を見せたくなくて。

トイレ行ってくるって行って、
ファミレスの外のトイレで
ひとり涙を流して。

あたしのこと妹みたいに可愛がってくれる
姉貴分の先輩に電話をかける。


「倖?愛巡さ、ちゃんと気持ち伝えたよ。
可茄ってやつは、イチバン愛した人なんだって。
やっぱり愛巡は、愛した人には愛されないんだよ。
とりあえず終わったら連絡するから
終わったら合致しよ。うん。」


大まかに全部話終わったあと、席に戻る。

涙我慢できなかったな…。
恭の前で泣かなかっただけ偉いぞ、愛巡。

そう自分に言い聞かせた。