もう待てない。
待てないから早く殺ってしまおうか。
「殺し屋黒ウサギ。俺はお前を殺す」
「殺れるもんなら殺ってみなよ」
もう誰にも止められない。パーティーは既に始まっていたんだ。
さぁお客様。貴女も僕たちの、一夜限りの舞台をお見逃しなく。
「止めろよ!黒ウサギ、止めろ!」
雷は必死で僕の身体にしがみつく。
「雷、離して。危ないよ?」
「最初は関節から壊していこうかな?」
「亞蓮、調子に乗り過ぎると楽しめないよ。もっとじっくり苦しめてあげる」
亞蓮は軽く舌打ちをした。
その細くスラッとした身体からたくさんの武器が隠されているみたいだ。カチャっと金属の擦れる音がする。
一体いくつ隠し持っていたのだろうか。
「じゃあ俺からいきますね?」
そう言った亞蓮は凄まじい勢いで僕に向かって走ってくる。早い。
「────っ!」
僕の首筋が切られた。傷は浅いが切られた感覚はなかった。
「あれ?間違えちゃった…」
「よく切ったね。なら僕からもいくよ」