でも。

………ないな。

玲央くんは授業をサボる人じゃない。



先生の声で、教室も

ザワザワし始めた。



あたしは机に頬杖をつきながら

ノートを無駄にパラパラめくった。



「体育が早く終わったんで

学校探検してたんスよー!」



声が高めでチャラい系男子?

あたしは脳内で

勝手に顔を想像してみる。



「今しなくてもいいだろーが。

授業中だ、もう帰れ」


「はーい」



今度はダルそうに

返事をする声が聞こえて

あたしの想像は完全にヤンキー集団。