段々と近づいてくる声。

こっちに向かってきてる?



目はノート、耳は廊下に注目。

相変わらずみんなは完璧授業放棄。



「ったく、授業中に…」



先生はそう言いながら

ついに教室を出て、声の方に向かって。



少し遠くで先生の太い声が聞こえた。



「おい、1年か?授業中に

こんなとこで何してる?

ここ、2年の階だぞ。

お前ら関係ないだろ」



先生の口から1年が出てきて

少しビクッとした。


2年の階で1年が堂々とサボり?

よくやるよなー。


1年、というワードのおかげで

ふと脳内に玲央くんがよぎった。