「ほら、行くよ」



後ろから背中をぎゅーっと押され

あたしは無理矢理立たされた。



「また帰り、な」



部屋を出る時、玲央くんは

ふわっと笑いながら

あたしの頭に手をおいた。



そーゆー行動がいけないんだよ…。

帰りたくなくなっちゃうじゃんか。



玲央くんのばか…。



玲央くんは先に秘密基地を出て

あたしは後から出た。



廊下に玲央くんの香水の匂いが

ほのかに香って少しだけ嬉しくなった。



はやく、帰りにならないかなぁ。