「れおくんっ、待って」
「おっせ」
玲央くんは振り返って笑った。
きっと、爽やかな笑顔って、こういうのをいうんだろうな。
静かな裏道を、2人で。
「なんか、久しぶりだね」
「まあ…な」
「玲央くん…」
「んー?」
並木道の木が風に吹かれてザワザワと揺れだして、夕日が長くあたしたちの影を作る。
「好きだよ」
「なに急に?まあ俺もだけど」
「…言いたかったから言っただけだよ」
あたしは上を向いて笑った。
この瞬間が、心から幸せだと思った。
隣に大好きな玲央くんがいて。
好きだよと言えば、俺もだよと、返してくれる人がいる。
それだけであたしの世界はこんなにも満たされる。