「嬉しいんだよね、実紅ちゃん」 なるべく優しく声をかけた。 まだ実紅ちゃんのこと、完璧に許せたわけじゃないけど…。 これから仲良くなって…いつか笑える日がくるよね。 きっと、時間が解決してくれると思うんだ。 お母さんだって、《大人になればその日のことを思い出して笑える日がくるわ》って言ってたし。 泣いている実紅ちゃんの頭をポンポンとして、あたしは玲央くんに 「そろそろ帰ろう」 と言った。