「まだかなぁ」
放課後。
あたしは玲央くんを校舎裏で待ってた。
もうみんなには ばれてるし、裏道から帰る必要ないな、なんて思ったりしたけと。
秘密の恋愛してたときの大切な思い出だから、今でもこの道から帰ってる。
少し、遠回りなんだけどね。
隣の本校舎の方からはまだ残ってる生徒の騒がしい声が聞こえてきて。
グラウンドからは運動部の掛け声が聞こえてくる。
もう全学年、帰りのSTは終わってるはずなのに…。
「おっそいなぁ…」
あたしは足元の石を蹴った。
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