「これでやっと、堂々とできるね」
玲央くんはあたしを抱きしめたまま無言で頷いた。
「帰ろっか」
大分息が落ち着いてきた所で、玲央くんはあたしを離した。
涙でうるうるした目の玲央くん。
こんなときに言うのはおかしいけど、可愛い…。
あたしに思い切り抱きついて、ボサボサになった前髪すら愛しい。
「前髪ボサボサだよ」
あたしは玲央くんの前髪に手をかけて、いつもの斜めに分けてある前髪を作った。
「ありがと」
そう言って、無邪気に笑う顔があたしは大好き。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…