わたしのだいすきな先輩は、
1つ上の高3の佐藤俊介さん。
軽音部でバスケがすきで
とってもかっこよくてやさしい。
そんな人。
もっと早くあなたを知っていたかった。
あなたを見た日は、
嫌いな数学があっても、
ちょっとしつこい男の子からメールがきても、
占いが最下位でも、
雨の日でも、
あなたを見れただけで
すっごく幸せになれるの。
わたしおかしいでしょ?
あなたを知ったときからだよ。
愛しい人よ。
どうか好きでいさせてください。
今年もこの時期がやってきた。
そう、体育祭がちかいのだ。
去年は初めての体育祭で不安ながらも楽しめた。
今年も、去年みたいにらくなしゅもくがいいなあなんて思ってた。
「りん~、今日の6限の数学、体育祭のカラー決めで授業潰れるよ~」
わたしの頼れる親友、澪がいった。
「えっほんとに!?」
わたしは思わぬ発言に驚いた。
「執行部の先生がいってたよ」
澪は生徒会執行部にはいっているので、
頼りになる。
数学ないなんてよかったなんておもって
午前の授業が終わって、あっとゆうまに6限だった。
1,2、3年生の縦割りは決まっていたので
その日は、団長がくじを引いて、色を決め、
そのごチーム集会だった。
各チームの団長と副団長二人がつぎつぎに登壇してゆく。
そんな中、わたしたちのチームの団長と副団長も登壇し、
意気込みを言っていた。
同じチームの団長の第一印象。
なんか草食系。
そんなことを思いながらも、いい人そうだなあなんておもったりもした。
チームのカラーは、ピンク。
澪がいった。
「ピンクってりんのイメージカラーぢゃん!よかったね♡」
私は反論した。
「いやいや、わたしのイメージカラーは水色なんだから!!」
「絶対ちがうよね~笑」
なあんていいながら、チーム集会が始まった。
「改めまして、ピンク軍団長の佐藤俊介です。たよりにならないかもですが、がんばりましょう」
なーんていって、さっそくパフォーマンス(踊り)の練習が始まった。
わたしたちのチームの踊る曲は全部洋楽で聞いたことのない曲だったが
すぐに好きな曲になった。
わたしは、Tシャツを作る係になった。
その日は、初めて活動する日だった。
3年生の先輩たちがやり方を教えてくれて
もくもくと作業は進んでいた。
そんななか、みなみちゃんというクラスメイトとおしゃべりしていた。
「ねえねえりんちゃん、副団長さんの森山さんかっこよくない??」
「ええ!!その人同中だったよ笑それより、団長さんのほうがかっこいいとおもうなあ」
「団長さんはないわ~」
「えーいいとおもうけどなあ…」
そんな話をしていると
団長さんが教室に入ってきた。
「おつかれさまーありがとねー」
このときからだ。意識し始めたのは。
もう、学校のなかで見かけるだけで顔が真っ赤になる。
かっこいい、近づきたい、仲良くなりたい、もっと俊介さんのことが知りたい。ぜんぶ知りたい。
わたしは、このことを同じクラスで澪よりもずっと前からともだちの里依紗に俊介さんがきになることを伝えた。
里依紗も、みなみちゃん同様、否定された。
「え~かっこよくなーい」
否定されても、なぜか不思議と里依紗には
好きってきもちをわかってもらえる気がして
ぜんぶを話した。
「恋…してるんだね、りん」
わたしは小さくうなずいた。
なぜか二人とも泣いていた。
恋すると見ている世界が変わるっていうけど
本当にそうだと思う。
だって、ほんの何日前のわたしの見ている世界とは大違い。
毎日どきどきしたり、わくわくしたり、大好きで必死に恋におぼれている。
恋ってこんなにも人を変えてしまうんだね。
世界中の恋には幸せな恋ばかりぢゃないけれど
恋するって素晴らしいことなんだね。
だいすきです、
いよいよ体育祭まで残り1週間となった。
パフォーマンスは、ほぼ完成していた。
それで、パフォーマンス練習は自主参加制になっていた。
だけど、どうしても俊介さんとの接点がほしくって
毎日部活もいかず、パフォーマンス練習に行っていた。
土日の練習も参加した。
そんななか、迎えた体育祭当日。
わたしは、部活が吹奏楽部で入場の演奏をする準備があったので
朝早くから学校にいた。
楽しみでしょうがなかった
そして今日は俊介さんの18回目の誕生日。
俊介さんにとっていい一日でありますように、と願うばかりだった。