「そっかあ!じゃあ、デート、がんばってね♪」

「うん、ありがとっ。」

美菜との電話を終了し、あたしは今日のことで胸がいっぱいだった。

だって、今日は、待ちに待った水野との初デートなんだもん!

あたしが告白したあの日の夜、水野から電話がかかってきて、

「明日、ヒマ?」

「う、うん。ぜんっぜん暇!」

「そっか、よかった・・・。あのさ・・・明日、一緒にデートしね?」

「水野からそんなこと言ってくれるなんて、めっちゃうれしいよ!もちろんしよう!」

ってことになって、急きょデートすることになったんだ。

「よし、完璧。」

自分の身なりを鏡でチェック!

不備なし!

あたしの今日のコーデは、白のふわふわニットに、ミニスカート。髪の毛も、へたくそだけど、巻いてみた♪

水野、よろこんでくれるかな・・・?

そんな気持ちで、待ち合わせ場所に到着。

水野はまだ来ていなかった。

「まだかなーー・・・。」

少し待っていたら、

「ごめん!遅れたっ。」

と言って、水野が来た!

ダメージジーンズに、黒のパーカ。

私服もかっこいい。

「全然っ。待ってないよ☆」

「ほんと?よかったー。」

っていう、たわいもない会話。

それでも、大好きな水野と二人でおしゃべりできるって、すごく幸せだな、って感じた。

「ねぇ、プリとろーよ!」

「あぁ、いいよ・・・。」

どうしたんだろ・・・。

あたし、なんかマズイこと言ったかな?

あたしと一緒にプリクラ撮りたくないのかな?

そんな気持ちをよそに、プリクラ機はどんどん写真を撮っていく。

ラクガキコーナーに入ったとき、水野に、

「もしかして、プリクラ撮りたくなかった・・・?」

「いや、そうじゃなくて・・・。今日の有坂、なんかいつもと違って・・・。俺、それで動揺しちゃったみてぇ・・・。」

「そうだったんだ。てっきりあたし、一緒にプリクラ撮るの嫌だったのかと思っちゃって・・・。」

「そんな心配させて、ごめんな。」