どれだけ明るい時間でも何故かいつも暗い。

毎日通っているけれどいまだに慣れない。

しかも、歩いていると何だか誰かに見られているような気配を感じる。

いつもは気のせいだと自分に言い聞かせて急いで通り過ぎるのだが、今日は何かが違った。

「…?」

声が聞こえる。


正しくは息遣いが聞こえるのだ。

決して広くないこの道では身を隠すような場所は何処にもない。

そのはずなのに…姿は見えない。

しかし、声は聞こえる。