「お、おい!ヴァンパイア!」
「冬夜だ。…じゃあなハンター。出来ればもう会いたくないな」
苦笑した冬夜が祥貴に背を向けて龍の方を見ると、冬夜の兄、彩都《さいと》が龍を抱えて立っていた。
「…兄貴?何でこんなとこにいるんだ?」
真剣な表情で問いかけられた彩都は、ガックリと肩を落とした。
「…おまえたちがいつまで経っても帰ってこないから、心配して探しに来たのにその言い草はないだろ……」
「それより、早く龍の手当てをしてやりたい。兄貴が来てくれてよかった」
彩都の言ったことを無視して冬夜は話題を変えた。