「うっ…ぐ……!」

意識が飛びそうな祥貴を見て、冬夜が龍を止める。

「おい、龍!そろそろ離してやれ!おまえも、愛緋は返す。それから…私たちは愛緋には何もしていない」

冬夜が言うと、龍の手が緩んで締めあげられていた祥貴が落下した。

ドサッと音を立てて地面に落ちた祥貴は苦しそうに喉を押さえて咳き込む。


「ゲホッ…ぐっ…げほ、げほっ…」

しかし、次の瞬間には体制を立て直し、愛緋を支えている冬夜の方に駆け出していた。

それを阻むように龍が立ちはだかる。