「おい!…てめぇら!何してる!」

2人が声のした方を見ると、息を切らした祥貴が霊減銃を構えていた。

気を失って龍の腕の中にいる愛緋を確認した祥貴は銃に掛かっていた安全装置を外した。

「ヴァンパイアどもよ…愛緋に何をした…!!」

「は?何言って…」


愛緋を支えている龍にしてみれば、祥貴に銃を向けられる意味がわからない。

「いいから答えろ!」

「はぁ…」

しかし、頭に血が昇っている祥貴には何を言っても無駄だろう。

実際、愛緋との屋上での出来事と今の状況で、祥貴は完全に周りが見えていなかった。