「冬夜に龍だね!」

「あぁ」

「助けてくれてありがとう」

改めて2人にお礼を言って周りを見ると、すでに空が暗くなっていた。

慌てて帰ろうと愛緋は2人に背を向け、足を踏み出した。

しかし、目の前が真っ白になり、愛緋がその場で倒れそうになったところを龍が支えた。

「おい…愛緋?大丈夫か?」

呼びかけてみても愛緋からの返答はない。

もう一度、今度は冬夜が呼びかけた。

「愛っ…」

しかしその言葉は最後まで音になることはなかった。