「もう…祥貴のばか…あたしだって言いたくなかったよぉ…祥貴どうしてあんなことしたの…?」

屋上を飛び出した愛緋はそのまま家に帰る気にもなれず、街をブラブラと歩いていた。

…何だか今日はやけに街がざわついている。

愛緋は一応、救護班だがケルベロスの一員であるので街の様子を把握しておかなければならない。

「はぁ…もう帰ろうかな…」

そう俯いて呟いた瞬間、後ろで何かの気配が聞こえた。人ではないこの気配は……