俺はそのまま繭の病室に顔を出すことができなかった。

 なぁ。翼。お前が生きてたらお前が俺の立場だったら、

 お前はどうしてた? 繭にどう接してた?

 なんて考えながら病院の外を出た。愛とすれ違った。

 「優?あれ?来てたの?」

 俺はなにも返す言葉ができなかった。

 「その状況だと、繭の病状知ったんだね?」

 「おう・・・・」

 「きっと思い出すと思うよ。それに可能性は0じゃない。」

 「その可能性にかけれるわけないだろ!ごめん」

 俺は怒鳴って、その場を歩いた。

 「優は変わったね。理由があるかも知れないけど、
 
  昔の優は何でも後先考ずになんにでも一所懸命だった。

  でも、今の優は考えるところか全部逃げてるだけじゃない。」

 愛はそれだけ言って病院に入っていった。

 なんの理由も知らずに怒鳴ってんなよ。

 俺は歩きながら向かった。ある場所へ・・・。