「つっばぁぁさぁが・・・・。」

 愛は泣いてるから何も聞こえなかった。

 陸が愛をさすりながら言った。

 「翼もう前みたいに戻れないかも知れない・・。」

 「どういうこと?」

 「翼・・・。」

 「翼病気だったんだ。」

 陸の言葉に重なるように優君が言った。

 「もう助からないに近い病気。手術しても助からない確率の方が高かったんだ。翼は繭だけには黙っててほしい。って言われてたんだ。だから俺らは黙ってた。」

 「翼は・・・・。死んじゃうの?」

 私はまだ理解ができなかった。

 「心臓は動いてる。でもいつ目を開けるかは分からないんだ。このまま一生あけないのかも知れない。」

 私はその場から立ち去った。

 翼が病気?

 いつ目を覚ますかわからない?

 私だけに黙ってた?

 私は何もかも分からなくなった。

 ただ分かることは翼はもう私に隣にはいないってコトだけだった。

 私は泣くことしかできなかった。

 その日以来外に出ることができなかった。

 家族に心配かけたと思う。

 「お前いつまでそんな風にいるわけ?」

 私はドアの方を見た。そこには優君がいた。

 「な・・・なんで?」

 「みんな心配してる・・。元気だせよー」