地面を転がって髪が汚れてしまっていたので、軽く砂を払ってやると、ろくろ首の彼女は頬を染めて照れてしまった。

こういうところは人間も人外も同じなんだな、と思いながら彼女の話を聞く。

彼女はやはり、いつも見つめているバスケ部員の彼のことが好きらしい。

「でも私、こんな体質じゃないですか……。だから普通の人間の彼に私は不釣合いだと思って……」

「まあ、少しは驚くとは思うけど」

「だからこうして、そっと見守るだけでいいんです……」

見守るだけの恋。

……彼女がそれでいいと言うのなら、僕にはもう何も出来ることはないな、と。以前ならば、そう思っただろうけれど。

なんとなく……放っておけなかった。

「じゃあ、もし。見守っているうちに、彼に別の彼女が出来てしまったらどうするんだい? 諦めるのかい?」

「えっ……そ、それは……」

「彼女と2人で幸せそうにしているのも、ただ見ているのかい?」