それから数分後。
電話を切ってから少しの間ぼーっとしてたけど、雪弥が迎えに来るというのを思い出し慌てて準備した。
…早く準備しすぎてもうた。
雪弥ん家からあたしん家はちょっと距離あるからなあ。
もう少しかかるやろ。
んー、どうしよう。
あ、テレビでも見よか。
カバンと携帯を手に取り、無駄に急な階段を駆け降りた。
そこでトイレから出てきたいかにも寝起きですって顔したおかんとすれ違った。
「お、莉絵おはよう。今日は早起きしたらしいやん」
「おかんおはよう。せやで。おかんは相変わらず起きるの遅いな」
そう、あたしのおかんはものすっごく寝起きが悪くて起きるのが遅いねん。
だから弁当とかは大体兄ちゃんが作ってくれる。
小さいころからそうだったせいか、兄ちゃんはめっちゃ料理できるようになってもうて、それもふまえモテてるらしい。
なにしろあの身長にムカつくほど整った顔。
…そらモテるわな。ふん。
兄ちゃんにいいとこ全部持ってかれた感じ。くそう、憎たらしい兄貴や。