「ん…ありがとうな。そや、ネックレスつけるんちゃうん?」
「あ、そうや!忘れとった!」
はは。雪弥のことで頭いっぱいでネックレスのことなんてすっかり忘れてたわ。
「だと思った。俺の恋バナなんて聞いてもおもろくないやろ?」
「いや、案外おもろかったで。いつもこんな話せんやん?」
「あー、まあな。なんか恥ずかしいし。あ、ネックレス貸して」
「んー、はいよ」
「あ、髪の毛前にやってくれへん?」
「これでええ?」
「ん、ありがとう」
雪弥の細くも太くもない手があたしの首に回された。
なんか…やばい。
ネックレスつけてもらうだけやん。何を緊張しとんねん。
「なんか緊張するなあ」
「あはっ。雪弥も?」
「もって、莉絵も緊張しとるん?」
「普段こういうのされへんからな」
「逆にされ慣れてたら困るわ」
「どういう意味やねん、それ」
お互い顔を見合わせ、同時に吹きだした。