「いってっ!」 痛みに悶える男にざまあみろと 不敵に笑って見せる 「おはよう、緋羅(ヒロ)」 緋羅と呼ばれた男は 少しふて腐れたような表情で ポツリと呟いた 「上に乗って動きを押さえてから 襲えばよかった……」 その言葉に雫は無言で枕元のベルを鳴らす チリンッ 数秒もしないうちに部屋にやって来たのは 艶やかな長めの黒髪を 下のほうでゆったり結っている男だった 彼もこの緋羅と同じように 執事服を着ていた