練習中、ネットで区切られてるはずの

場所を、運悪く隙間をボールが転がった。


私は走って取りに行った。

・・・

誰かが、ボールを拾ってくれた。


「ありがとう」

この子も、1年生かな?

・・・背が高いな。

そんなことを思いながら、

ボールを受け取った。


「先輩、名前は?」


その男の子が、私に名前を聞いてきた。

「月島美羽だけど」


「ふ~ん」


・・・なんか態度が気に入らない。

「アンタの名前は?」

ぶっきら棒な私の言葉に、

クスッと笑った男の子・・・


「真田 良平」


「ふ~ん・・・

ボールありがとうね」


良平とはこれを境に、よく喋るようになった。