「先輩、携帯持ってないんだって」

洋介が言った。


「そうなの?!」


「・・・そうなの」


「可愛そうに」


「お前まで言うか?!」


「??」


私の言葉に、良平が首をかしげた。


「オレと同じこと言ってやんの」

洋介が笑った。

・・・

ホント、何で携帯持ってないんだろ。

親を怨みたくなる・・・



「だったら、公衆電話からでも」


「そこまでしなくても・・・」

「ダメ!ちゃんとしてよ?」

それだけ言うと、男子更衣室に

入って行った良平。

数秒後。

何かを持って出てきた。