「じゃ、集まったみたいだし積もる話はまた後でという事で」
藤森君
さすが、幹事さん
どうやら先生はいないらしい
出席率が良いようでクラスの2/3くらい集まった
やっぱり荻野は
……来ないか
他愛もない事をペチャクチャしながら、藤森君が予約してくれたという店へ向かう
皆、覚えてる? って聞くけど、卒業して未だ1年ちょっとだよ?
忘れるわけ無いのに
そして、足並みは赤提灯が目立つ通りに進む
この辺居酒屋が多いんだ
まさかここじゃ……ないよね?
先頭の藤森君が立ち止まり口の前に人差し指を当て小声で言う
「みんな、今日は二十歳ってことね」
ってやっぱりそうなのか
未成年が……いいのかなぁ?
初めての居酒屋でちょっと……いや、かなりドキドキ
みんな結構堂々としている
普段から良く来るのかなぁ?
友達の家で度数の低いカクテルのようなものを過去に一度だけ飲んだ事ある
正直あまり美味しいとは感じられなかったのを記憶している
近くにいた沙希ちゃんに小声で聞いた
「居酒屋とか良く来るの?」
「こんなトコ初めてだよ。サヤは?」
「私も初めて」
「私も初めてだよ」
後ろにいた凛ちゃんと紀ちゃん
良かった
ドキドキ体験は私だけではないことを知り、安心した