しばらく下を向いて考えていると
ずいっと、何かが視界に入り込んだ
突然の事でその白い物体が何か気付くのに数秒かかった
瞬きを繰り返しじっとそれを見詰める
「…杏仁豆腐?」
綺麗な透明のプラスチック容器に
ぷるぷるとしたら白い物体と
その上に乗っている赤いクコの実…
ゆっくり顔を上げると
男子生徒が満面の笑みでこっちを見ていて
目が合うと小さく頷いた
「これ、どうしたんだ?」
「先輩にあげたくて」
ぽかんとしてる間に手渡された
杏仁豆腐を見詰め
どうすれば善いのか迷っていると
「食べてください」
今度はスプーンを手渡された
さっきまで持ってなかったような
いったい何処に隠してたんだ