笑い声とヒソヒソ声。



すみついたように聞こえる二つの囁き。



最近はずっとそうだ。



片方の声は



「ちょーうけるんですけどー。」



私を嘲笑う笑い声。



もう片方の声は



「ほら…あのこだよ。変わっちゃったよねー」



私をけなすヒソヒソ声。



人間不信っていってもおかしくはない。



"無感情無表情少女"



なんて陰では言われることも多くなった。



仕方ない…



顔は昔のまま。



けど



心は満たされてた水がいっきに抜けたような心だった。



簡単にいうとなにも思わなくなった。



…というか、すべてがくだらないと思ってしまった。



ほらね。



「顔は可愛いんだけどなぁ…。」



脳内をよぎるあいつの声。



もう全部全部分からないよ。



もしも記憶が戻ったら全部全部分かるのかな…



大切なことも失った気持ちも。



嫌いな朝は今日も来た。



こうした間にも時計の針は進む。



時間なんてとまればいいのに。