お姉ちゃんは私が嫌いらしい。
性格、才能、全てが違うから。
私は勉強と運動と多才だったうえに容姿まで良かったらしい。
でも私はそうとは思わない。
お姉ちゃんだって可愛いし歌とか絵だって上手だしよく笑っていて彼氏だっていた。
私はお姉ちゃんが憧れだった。
けどやっぱりできが違う私にお姉ちゃんは怒っていた。
「なんであんたなのよ…」
って冷たい顔して言ったから。
「うわぁーまじふざけんなじゃん」
って悲しい顔して言ったから。
「ごめんなさい。」
って涙を一粒ホロリとおとして謝った。
1番酷かったのはお姉ちゃんの彼氏に告白されたときだった。
記憶にはないけど階段から突き落とされたことが1度だけあった。
私は確かめるように洗面台へと向かった。
前髪をあげて鏡をみると額に残るあざをそっと見つめた。
いつまでたっても変わらないアザ。
いつまでたっても変わらない顔。
いつまでたっても変わらない日常。
いつもどうりだった。
結局、記憶喪失の原因は誰も教えてはくれなかった。
まわりでは交通事故なんて噂があるけれどそれは嘘だ。
痛くなかったし。
突然キィーンと耳鳴りがする。
耳に残る笑い声。
まただ。
今日もまた聞こえる。