そして、忘れちゃいけない、ううん、忘れられない事があった。


クリスマスイブの夜。

あたしは彼に嘘をついて、あっちゃんと約束をしたんだ。


近所のスーパーの駐車場。

時間は夜の11時。


「親に呼ばれた…」


彼の部屋に居たのに、あたしは彼にそう言って、無理矢理帰って来た。


あたしが着いたのは、11時半を過ぎた頃。


あっちゃんは、あの冷たい空気の中、ずっと待っててくれたんだよね。


「遅くなって、ごめんね…」

「大丈夫だョ。
俺も少し、遅れちゃったんだ」


優しいあっちゃん。


時間通り、もしかしたら、もっと早かったのかも知れない事は、あっちゃんの手が、教えてくれた………